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アコム、アイフル株価上昇?消費者金融破綻・整理の最終章

報道によると、7月5日の東京株式市場で消費者金融株が買われた。

読売新聞が5日付け朝刊で、「民主党、消費者金融会社など貸金業者の貸し付けの上限金利を見直す方針」と報じたことからアコムやアイフルが値上がりした。


 10年6月の全面的な法改正以降、一般の貸金業者から借りられなくなった事業者や消費者が、違法な高金利を取るヤミ金に流れる弊害を是正するために、民主党の作業部会が検討を開始したというものだ。出資法や利息制限法で20%を超える利息を取ることは禁じられているが、上限金利を30%未満にまで引き上げるのと同時に年収の3分の1を超える借り入れは出来ないことになっている、総量規制を見直す方針だという。早い話が、上限金利を改正前の水準に戻すということだ。

 上限金利の緩和は、取り過ぎた利息(過払い金)の返還問題が最終局面を迎えたことと無関係ではない。返金額の膨大な負担に耐え切れず、武富士(現・TFK)やNISグループ(旧・ニッシン)、SFコーポーレーション(旧・三和ファイナンス)、アエル(旧・日立信販)などが次々と経営破綻した。

 7月5日には、中堅消費者金融会社のクラヴィス(大阪市)が、大阪地裁に自己破産を申請し、破産手続きの開始の決定を受けた。債権者は約46万人、負債総額は3268億円。このうち32万人分、3219億円が過払い利息の返還債務だ。消費者金融では武富士に次ぐ過去2番目の大型倒産となった。

 クラヴィスは1975年に独立系の消費者金融リッチとして設立され、2000年にプロミス(現・SMBCコンシューマーファイナンス)の傘下に入った。02~05年に「ぷらっと」、05~07年にはクォークローンの商号で貸金業を行っていた。改正貸資金業法の成立を受け、07年12月に貸金業登録を廃止、商号をタンポートに変更して、債権回収に専念していた。

 09年3月にプロミスからネオラインキャピタルにタンポートの全株式が譲渡され、商号をクラヴィスに変更した。しかし、債権回収は進まず、一方で過払い金の請求が増え続け、今年1月、ネオラインホールディングスグループはクラヴィスの経営から撤退。新たなスポンサーは見つからず、破産を申し立てた。

この10年間で消費者金融大手の淘汰、再編が進んだ。アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社となった。プロミスは三井住友フィナンシャルグループ(FG)の100%子会社となり、7月1日付で、SMBCコンシューマーファイナンスに社名を変更。三井住友FGの消費者向けの金融事業の中核会社として新たなスタートを切った。独立系だったアイフルは、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)が成立し、メインバンクの住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)主導で再建が進められている。


 唯一、銀行の傘の下に組み込まれなかったのが武富士だ。会社更生法を申請したが、再建をめぐって迷走。スポンサーに決まっていた韓国企業が資金不足で撤退するなど混乱した。その後、11年末に中堅ノンバンクのJトラスト(東京・港区)が新しいスポンサーに選定された。Jトラスト社長の藤澤信義氏は、同社の48.6%を保有する筆頭株主で、現在、ネオラインホールディングスグループを率いている。かつてネオラインの資金スポンサーだったのが破綻した日本振興銀行で、同行の木村剛・元会長と藤澤氏は盟友関係にあった。

 Jトラストは、武富士の事業を会社分割方式で取得。3月1日に、252億円の買収資金を払い込み、武富士の社名をTFKに変更し、グループで商工ローンを手掛けるロプロ(旧・日栄)が事業を継承した。ロプロは旧武富士の顧客基盤を生かし信用保証業務を行う。

 信用保証業務への転換は、破綻した消費者金融会社を次々と買収してきた藤澤氏の得意技だ。これまでのように消費者に直接、貸し付けはしない。借り入れの申し込みがあると提携している銀行と共同で与信審査を行い、融資可能と判断した顧客には銀行が貸し付ける。その貸付金にJトラストが保証を行い、保証料を受け取るというビジネスモデルだ。西京銀行で成功したことから、西京銀行モデルと呼んでいる。武富士改めTFKは保証業務で十分ペイできると踏んでいるのだ。

 武富士を除く大手は銀行系列に組み込まれた。中堅はあらかた破綻、廃業に追い込まれた。それらの屍を乗り越えて、銀行の支配下に入った消費者向け金融会社が新たな儲け話に群がる。

上限金利を現行の15~20%から30%未満に緩和する動きは、メガバンクの直系となった消費者金融会社の次のステップをにらんだ布石といえる。


 しかし、これはいつか来た道だ。数年以内に多重債務問題が、再び社会問題になるのは間違いないだろう。

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