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あると困る借金、ないと困る借金

報道によると、  どちらの会社の方が経営状態として“強い”といえるでしょうか。

(1)借金は5000万円もあるけれど、現預金は7000万円ある会社

(2)借金はないけれど、現預金は2000万円しかない会社

 答えは、ダンゼン、(1)です。

 「借金」という言葉から、良い印象を受け取る人はほとんどいないでしょう。ところが、この世には“あったほうが良い”借金というものもあるのです。

 それはどういうものかというと、会社の借金です。

 「エッ? 無借金経営が一番安全なんじゃないの?」と思う人も多いはず。しかし税理士の松波竜太さんは「無借金経営ほど危険なものはない」といいます。

 基本的に、借金(銀行等からの借入金)によって会社がつぶれることはありません。

 会社がつぶれる原因は「現預金がなくなること」なのですが、その「現預金」を減らすのが「赤字」です。

 「現預金を持っている会社は強い」とよく言われるのは、現預金に余裕があればあるほど、経営において様々な手を打つことができるようになるからです。従業員の給与や設備投資、原材料費の支払い、税金の支払、新事業への投資なども基本的には現預金があるからできるものです。もし何かあっても現預金があれば安心です。

 その現預金を作りだす方法としては、事業で利益を上げること、そして銀行等の金融機関から借入することなどが挙げられます。

 無借金経営とは、金融機関等からの借入がなくても経営していける状態のことですが、例えば政治や経済の世界に一瞬でも突風が吹くと、致命的なダメージになってしまう中小企業においては、いつ巨額の現預金が必要となるか分かりません。

 もちろん、借入に頼らなくても、常に莫大な利益が出ているという企業であれば無借金経営は可能かも知れません。しかし、だいたいの企業はそうではないはずです。

 また、松波さんは、多くの中小企業が、少しでも資金が余っていると感じると、借入を一括返済して少しでも借金を減らそうと考えてしまうことに警鐘を鳴らします。

 なぜなら、「返すのは簡単だが、借りるのは大変」だということ、そしてこの中途一括返済は、実は銀行からみれば「契約違反」にあたり、マイナスに評価されてしまうからです。

 松波さんが執筆した『借入は減らすな!』(あさ出版/刊)では、経営者向けに銀行からの借入に関するイロハが書かれています。

 例えば、借入する際に、銀行の本店の規模や、置かれた環境に応じて、支店の企業に対する扱いも変わります。大きな支店で扱い額の小さな企業扱いされてしまうよりも、小さな支店で重要なお客様として扱われた方が良いこともあるのです。

 この3月には、中小企業金融円滑化法が期限切れを迎え、以前と比べて資金繰りが難しくなることが予想されます。では、中小企業の経営者はどうすれば良いのか? 本書では、そのための具体的な「次の一手」を説明しています。

 会社が永く続いていくために必要なことが書かれている一冊です。


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