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債務整理は解決策のひとつに過ぎない=高橋伸子

報道によると、 貸金業者から5件以上の借り入れを行い、返済しきれないほどの借金を抱えている人は「多重債務者」として、対策が講じられている。

06年には貸金業法を改正し上限金利を引き下げ、年収の3分の1を超える借り入れをできなくする規制も導入された。

 その結果、多重債務者の新たな発生は抑制され、すでに多重債務に陥っている人に対しては、弁護士や司法書士など法律専門家の手助けで債務整理がすすめられている。政府は今年6月、状況に一定の改善がみられるとの見解を示し、フォローアップを続けるとしている。

 しかし、債務者対策の照準が今なお多重債務にとどまっているのは問題だ。最近は失業、リストラ、離婚等による生活苦で借り入れをする人たちが増えている。住宅ローンの支払いが困難になり泣く泣く家を売却したものの、価格の下落で借金だけが残るケースもある。東日本大震災の被災地では、マイホームやマイカーの過重債務が深刻な問題となっている。

 警察庁の調べによれば、毎年3万人を超える自殺者のうち、その原因として健康問題の次に多いのが経済・生活問題であり、約5人に1人がお金の問題で自ら命を絶っている。昨年の自殺者3万1690人中、多重債務を原因とするのは1306人であり、多重債務者も含めた「過重債務者」に照準をあわせ、対策を講じるべきだろう。

 背負いきれないほどの借金に悩む過重債務者には、債務整理による借金の減免措置が有効だが、ただちに生活再建が実現するわけではない。生活を立て直し、人間らしい暮らしを取り戻すには、就労支援、家計指導など継続的な相談支援や自立のための一時資金が必要だ。

 国は07年に「多重債務問題改善プログラム」を策定し、生活再建のための相談(カウンセリング)を行い、解決手段の一つとしてセーフティーネット貸し付けを提供することとした。この対象を「過重債務者」に広げるのが望ましい。

 同時に、運用面の改善も不可欠である。現在、全国的制度として打ち出されているのは市区町村の社会福祉協議会を窓口にした「生活福祉資金貸付」だ。多重債務問題を受け、貸し付け実行までの期間を短縮し、連帯保証人なしでも借りられるなど使い勝手を改善した。だが、併せて目指すべきとされたていねいな事情聴取や具体的な解決策の相談、家計指導など貸し付け後のモニタリングが十分に行われているとはいいがたい。

 その結果、貸し出しの大半が回収不能な状態に陥っている自治体が少なくなく、焦げ付きを恐れて貸し渋る自治体もある。貸し付けの原資は国が3分の2、残りを都道府県が負担する形で税金から支出されている。国は「社会福祉協議会に金融などの専門分野に精通した相談員が配置されるよう、引き続き取り組む」としているが、具体策は示していない。

 家庭経済ソーシャルワーカー(CESF)など、過重債務対策に30年以上取り組んでいるフランスが手本になる。CESFは低所得者や生活困窮者の社会福祉援助、家計管理支援を行う国家資格である。また、同国では過重債務者の統計データを民間まかせにせず、国が収集・分析し的確に対策を講じている。

 民間金融機関がセーフティーネット貸し付けに取り組んでいることも含め、日本はこうした見習うべき点を柔軟に取り入れ、「過重債務者」支援を構築してほしい。

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