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武富士“自己破産”の皮肉

報道によると、 消費者金融大手、武富士の破綻から約2週間。余波は、関係者にじわりと広がっている。

利息返還請求の和解金が大幅に減額されそうな弁護士は肩を落とす。その一方で、零細企業の資金調達環境は一段と厳しさを増している。

 武富士破綻の余波が、一部の弁護士事務所を震撼させている。

 「まさか、こんな突然に破綻するとは…」。東京都内に事務所を構える弁護士がうなだれる。弁護士はここ数年、依頼人に代わって消費者金融や信販会社を相手に、払い過ぎた利息、いわゆる「過払い金」の利息返還請求を生業としてきた。

 9月28日に約4300億円の負債を抱えて会社更生法の適用を申請した武富士からも、今年5月に総額約6000万円の過払い金を取り戻すことで、和解が成立していた。武富士側は、6000万円を一度に支払うことができないと申し立てたため、分割して支払いを受けることになっていた。

 ところが、その4カ月後に、武富士は破綻した。「まだ数百万円しか受け取っていない」という弁護士は、頭を抱えている。

「過払い金利息が返ってこない」


 2010年4~6月期の武富士の営業貸付金残高は5101億円。一方、負債に計上した利息返還損失引当金は2116億円。毎月の利息返還は、100億円程度で高止まりしていたという。

 今回の破綻を受けて、利息返還請求はさらに増加すると見られているが、実際にお金が全額戻ってくる可能性は低い。なぜか。ある消費者金融の幹部が解説する。「過去の消費者金融や事業者金融の破綻例では、大幅な債務カットが認められている」。


例えば、昨年11月に負債総額約2500億円で会社更生法の適用を申請した事業者金融のロプロ(旧日栄)は、弁済率3%、実に債務の97%が減免された。2008年3月に民事再生法の適用を申請した消費者金融、アエルのケースでも、95%の大幅な債務カットが認められている。

 武富士の債務減免措置については今後明らかになるが、関係者は9割近い債務カットの可能性もあり得ると見ている。そうなれば、冒頭の弁護士が獲得した過払い金約6000万円も、今後は残りの1割ほどしか戻ってこない。

 しかも、この弁護士事務所は、8月締めの決算で、この和解金を既に営業収益として計上してしまった。実際に入ってくるキャッシュは大幅に減る可能性が高いだけに、「これからどう対応すればよいのか」と弁護士は途方に暮れている。

 消費者金融や事業者金融を相手に過払い金の利息返還請求で、多額の収益を上げていた弁護士事務所は少なくない。武富士から獲得した過払い金の減額によって“減収”を余儀なくされる弁護士事務所は、今後も多数出てくると見られている。

 そして、こうした弁護士の矛先は、過払い金利息の支払い余力のある既存の大手に向かう。「プロミス、アコム、レイク、CFJといった消費者金融大手や、三菱UFJニコス、JCBなどのカード・信販会社。彼らに対する過払い金利息返還請求がまた増えるのではないか」と関係者は見る。

三井住友銀行グループのプロミスの2010年3月期の営業貸付金残高は、前年同期比で10.8%減の1兆5638億円。同様に、三菱UFJフィナンシャル・グループのアコムも、同10.8%減の1兆1735億円。直近の決算期で5000億円に近い水準にあった武富士に比べれば、貸付金残高の「山」はまだ高い。だが、状況が今後も変わらなければ、体力勝負にもやがて限界が来る。

 「正直、もう辞めたい」

 ある大手消費者金融の幹部が沈痛な面持ちで訴える。仮に、武富士の更生計画で債務カットが認められるような事態になれば、ほかの消費者金融もこぞって“自己破産”の道を探り出すと、この幹部は言う。

 こうした動きを警戒しているのが、過払い金の利息返還請求を請け負う弁護士たちだ。「消費者金融を自己破産(破綻)させては債務カットの浮き目に遭う。破綻させず、いかに過払い金を取り続けるかが重要」。

 この台詞、かつては消費者金融の社員が融資をした債務者への対応方法として口にしていた。時代が変わり、消費者金融の破綻が相次ぐ今、その台詞を口にするのは弁護士になっている。

 改正貸金業法と一連の過払い金利息の返還請求訴訟。ある種、奇妙な立場の逆転関係を作り出した。

零細の資金の出し手、また消える

 そんな状況の裏で、今も深刻な問題として横たわっているのが、中小・零細企業への資金供給だ。武富士の破綻は零細企業の資金繰り難をさらに加速させかねない。

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