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振興銀前会長逮捕/中小企業支援の理念どこへ

報道によると、日本振興銀行(東京)の業績は一時、順調に見えた。2004年4月の開業から6年、当時の中心人物の前会長と現社長がきのう警視庁に逮捕された。


 逮捕容疑は銀行法違反(検査忌避)。業務用の電子メールを削除して金融庁の検査を妨害した疑いが持たれている。
 そうまでして検査機関に掌握されたくなかった業務とは何か。捜査は当然、取引実態の解明に的を絞っているはずだ。
 既に表面化しているのが、昨年2月に経営破綻(はたん)した商工ローン大手SFCG(旧商工ファンド)との関係。SFCGに対しては高利息で貸し付けを受けた中小零細事業者から昨年、過払い分の返還を求める訴訟が仙台など全国の地裁で起こされた。
 SFCGとの提携は、中小企業支援の理想を放棄して利潤追求を最優先する選択だったように見える。創業理念がどこかへ吹き飛んでしまったのは、どうしてだろうか。その答えの手掛かりが少しでも得られるような捜査の進展を期待したい。
 逮捕されたのは前会長木村剛(48)、社長西野達也(54)両容疑者ら5人。容疑は、昨年6月から今年3月にかけてメール約280通を削除して金融庁の立ち入り検査を妨害した疑い。
 SFCGの方も既に元社長ら4人が逮捕され、東京地検が今月、元社長を民事再生法違反(詐欺再生)などの罪で起訴している。経営破綻前のおととし12月に約420億円の資産を関連会社に流出させ、債権者に損害を与えたとされる。
 両社の提携関係は07年に深まったという。振興銀がSFCGの債権を買い取って手数料を払うことで、振興銀は収益拡大に、SFCGは運転資金の確保につなげるという思惑の一致だった。この形態を捜査当局は、出資法の上限金利(29.2%)を上回る実質金利45.7%の取引だったと見ているようだ。
 「将来性・成長性のある中小・新興企業にとって利便性の高い資金調達」。振興銀は基本理念にこう掲げて開業した。
 木村容疑者は元日銀職員。小泉政権時代に竹中平蔵金融担当相のブレーンとして知名度を上げ、金融庁顧問として不良債権の積極処理を主張した。
 「従来の銀行のスタイルにとらわれない」「業務の執行と経営の監督を明確に分離した厳しいガバナンス体制」。そう強調して、大手銀行の貸し渋り・貸しはがしに泣く中小業者の注目を集め、07年3月期決算で黒字決算を発表した。
 5月に金融庁から一部業務停止命令を受けた時、「利益追求が中心となり、管理・指導が甘くなった」と謝罪した社長も、きのう逮捕された。6年の間に創業理念が消えていたことは確かである。
 時代の脚光を浴びた新しい形が、なぜ挫折したか。中小企業支援の理想を価値判断するのは捜査の責務ではないが、手掛かりがしっかり収集されれば、中小企業の公的支援策を再構築するためにくみ取るべきことが見いだせるかもしれない。

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