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あなたのそばにいる“優しいヤミ金融”……その実態は?

ビジネス メディア 誠によると
かつて高金利で厳しい取り立てを行い、社会問題にもなったヤミ金融。しかし今では、“優しいヤミ金融”と呼ばれる非合法な業者がはびこっているというが、その実態は不透明だ。そこで貸金業に詳しい、東京情報大学の堂下浩准教授に話を聞いた。
元記事

==以下引用==
かつて「トイチ」や「トサン」※などと呼ばれ、高金利で手荒な取り立てをしていた「ヤミ金融」。違法金利の無効化や取立行為の規制を強化した「ヤミ金融対策法」が2004年に施行され、いまでは鳴りを潜めた形となっている。しかし数年ほど前から「優しいヤミ金融」と呼ばれる、新手の業者がはびこり始めているのだ。
※トイチ:10日で1割の金利を要求されること。トサンは10日で3割の金利。

 優しいヤミ金融の特徴は「強引な取り立てをしない」「金利は年40~50%が多い」といわれているが、その実態は不透明。上限金利29.2%を超える業者もあれば、10%ほどでお金を貸すところもあるという。しかし従来のヤミ金融と違って、彼らはごく普通の市民にも手を伸ばし始めていることが、東京情報大学の調査で明らかになった。

 ヤミ金融対策法が施行されたにもかかわらず、なぜ再び、非合法な業者がうごめき始めたのだろうか。また一般の市民が、なぜ彼らからお金を借りているのだろうか。優しいヤミ金融の実態について、東京情報大学の堂下浩(どうもと・ひろし)准教授に話を聞いた。
消費者金融の市場が“健全化”

 東京情報大学が2009年2月に実施した調査によると、消費者金融大手7社の貸付残高(月末)と新規成約率(月間)は減少傾向にある。特に改正貸金業法が国会に通過した2006年12月以降、貸付残高と新規成約率の減少は一気に進んだ。それまで大手7社の新規成約率は50~55%ほどで推移してきたが、審査を厳しくしたことで30~35%に低下。また貸付残高も8兆円以上あったが、2008年12月時点では6兆円を割っており、「もはや消費者金融のビジネスモデルは“破たん”している」(業界関係者)とささやかれるほど、厳しい環境下にある。

 上限金利の引き下げや総量規制※の完全施行前に、消費者金融各社は審査を厳格化。その結果、“貸し渋り”状態に陥ってしまったのだ。さらに過去に顧客が支払いすぎた「過払い利息」の返還訴訟が相次いでいるため、「経営環境は火のクルマだ」(業界関係者)という。消費者金融大手7社の過払い返還請求は増加傾向にあり、2008年12月には月間で479億円にも達した。
※上限金利引き下げ:改正貸金業法によって貸金業の上限金利は、出資法の上限(年29.2%)から利息制限法の上限(元本の金額により年15~20%)へ引き下げられる。総量規制:個人の借入総額が、原則、年収の3分の1までに制限されること。

審査の厳格化と過払い返還請求によるコスト高によって、消費者金融はどのような状況に陥っているのだろうか。2007年と2008年の顧客情報を比べると(2008年5月に調査)、これまでにない“変化”が浮き彫りになった。

 例えば顧客の職業を見ると、トップは「会社員」で前年比1.2ポイント増の50.7%に。その一方、「自営業」(同0.8ポイント減の12.4%)や「パート/アルバイト」(同0.8ポイント減の10.2%)、「派遣社員」(同1.9ポイント減の5.0%)がそれぞれ落ち込んだ。また個人・世帯の平均年収、預貯金はいずれも前年を上回る結果となった。

 「消費者金融でお金を借りる人といえば、低所得で預貯金もゼロ」――。こんなステレオタイプのイメージを抱いている人も多いかもしれない。しかし実態は異なり、預貯金(平均値)にいたっては前年を大きく上回り、334万円だ。こうした傾向について、堂下准教授は「消費者金融は審査を厳しくしているため、優良な顧客が増えている。そのため、消費者金融の市場は“健全化”されつつある。しかしアルバイトや派遣社員といった低所得者層にとって、お金を借りにくい状況になっている」という。

消費者金融利用者(職業別)

消費者金融利用者のプロフィール
ヤミ金融に接触する人たち

 堂下准教授は消費者金融の市場が“健全化”しつつあるというが、ヤミ金融に接触しているのはどんな人たちなのだろうか。2007年と2008年を比較すると、「消費者金融から希望通りに借りられなかった」という人でヤミ金融に接触したのは、30.1%から34.4%に増加。逆に「希望額を借り入れることができた」という人は14.3%から13.1%に減少した。またヤミ金融に接触し、実際にお金を借りた人の借入率を見てみると、「希望通りに借りられなかった」という人は9.4%から16.5%に拡大した。「改正貸金業法による規制強化は、消費者金融からお金を借りられない人を増やした。そして拒否された人たちの中には、お金を工面するためにヤミ金融から借りている人もいるようだ」(堂下准教授)

 ヤミ金融に接触したという人は、どういった理由でお金を借りようとしたのだろうか。最も多かった理由は「医療費」で60.2%、次いで「外食費、飲み代」(53.7%)、「遊興費、娯楽費」(51.6%)、「冠婚葬祭費」(50.0%)、「旅行、レジャー費用」(48.0%)と続いた。一方、ヤミ金融からの借入率で見てみると、「子どもの養育費」(54.2%)が最も多く、以下「旅行、レジャー費用(出張代や帰省代も含む)」(50.6%)、「引越し代」(47.9%)、「冠婚葬祭費」(46.6%)、「医療費」(45.3%)と続いた。

 接触率でトップだった「医療費」は、借入率で5位に。また借入率トップだった「子どもの教育費」については、接触率で7位に。このほかにも接触率と借入率の上位に違いが出ているのが特徴だ。この結果について、堂下准教授はこのように分析する。「マスコミなどでは『ヤミ金融は返済能力を失った人たちにお金を貸している』などと報じている。しかし実態は、子どもの教育費や故郷への帰省代などのためにやむなくヤミ金融と接し、被害に遭ったという人たちが増えている」


厳しい取り立てを行わないヤミ金融

 ヤミ金融に接触する人たちに、心理的な特性はあるのだろうか。2007年の調査によると、ヤミ金融に接触した人たちは「自己統制力」(自らをコントロールする力)、「対処様式」(困難に直面したときの処理態度)、「社会的向性」(社交的、人間好き)の点で、バランスを欠いている特徴がうかがえた。例えばヤミ金融に接触した人は、お金がないのにもかかわらず、友人から飲み会に誘われると、ついつい参加してしまう。そして、ヤミ金融からお金を借りるまでして飲み会に参加してしまうようだ。

 しかし直近の調査では、ちょっとした“異変”が起きた。2008年に実施した調査によると、ヤミ金融に接触した人は、完済者と比べ心理的な特性に大きな違いが見られなかった。「これまでヤミ金融と接触しなかった一般的な市民が、彼らからお金を借りているのではないか」と堂下准教授は見ている。また彼らは返済能力が高いため、ヤミ金融も厳しい取り立てを行っていないという。こうした背景もあり、彼らのことを“優しいヤミ金融”と呼ぶ人が出てきているようだ。
ヤミ金融市場を拡大させることに

 金融庁が改正貸金業法を推し進めた理由は、「多重債務問題の解決と安心して利用できる貸金市場の実現」にある。しかし現実には、借り手である利用者には「借りにくく」、貸し手である消費者金融には「貸しにくい」状況を招いてしまった。そして、皮肉なことにヤミ金融の市場を拡大させることとなったようだ。

 “優しいヤミ金融”の実態について、堂下准教授は2つのパターンがあるという。「1つは利用者の借入状況について詳しい事例が多いことから、かつて貸金業を営んでいた人たちが水面下で活動しているのではないか。もう1つは携帯電話の番号のみを連絡先とし、張り紙やチラシなどの広告で顧客を集める“090金融”が暗躍している」という。

 金融庁が集計した「貸金業者に係る苦情等件数」によると、2007年度と2008年度の無登録業者(ヤミ金融)に対する苦情件数はほぼ横ばいだ。ヤミ金融がどこまではびこっているか、正確な数字を把握するのは難しい。しかし「改正貸金業法が完全施行される2010年6月以降、ヤミ金融の被害に遭う人は増えるだろう」(業界関係者)といった見方が強い。

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