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過払い判例:昭和44年11月25日

判示事項
債務者が利息制限法所定の制限をこえた利息・損害金を元本とともに任意に支払つた場合と右制限に従つた元利合計額をこえる支払額に対する不当利得返還請求の許否

裁判要旨
債務者が利息制限法所定の制限をこえた利息・損害金を元本とともに任意に支払つた場合においては、その支払にあたり充当に関して特段の意思表示がないかぎり、右制限に従つた元利合計額をこえる支払額は、債務者において、不当利得として、その返還を請求することができると解すべきである。

主    文
原判決中上告人の敗訴部分を破棄し、右部分につき本件を仙台高等裁判所に差し戻す。
         
理    由
 上告代理人阿部一雄の上告理由第二点について。
 債務者が利息制限法所定の制限をこえる金銭消費貸借上の利息・損害金を任意に支払つたときは、右制限をこえる部分は、民法四九一条により、残存元本に充当されるものと解すべきことは、当裁判所の判例とするところであり(昭和三五年(オ)第一一五一号、同三九年一一月一八日言渡大法廷判決、民集一八巻九号一八六八頁参照)、また、債務者が利息制限法所定の制限をこえて任意に利息・損害金の支払を継続し、その制限超過部分を元本に充当すると、計算上元本が完済となつたとき、その後に支払われた金額は、債務が存在しないのにその弁済として支払われたものに外ならず、不当利得としてその返還を請求しうるものと解すべきことも当裁判所の判例の示すところである(昭和四一年(オ)第一二八一号、同四三年一一月一三日言渡大法廷判決、民集二二巻一二号二五二六頁参照)。そして、この理は、債務者が利息制限法所定の制限をこえた利息・損害金を、元本とともに任意に支払つた場合においても、異なるものとはいえないから、その支払にあたり、充当に関して特段の指定がされないかぎり、利息制限法所定の制限をこえた利息・損害金はこれを元本に充当し、なお残額のある場合は、元本に対する支払金をもつてこれに充当すべく、債務者の支払つた金額のうちその余の部分は、計算上元利合計額が完済された後にされた支払として、債務者において、民法の規定するところにより、不当利得の返還を請求することができるものと解するのが相当である。けだし、そのように解しなければ、利息制限法所定の制限をこえる利息・損害金を順次弁済した債務者と、かかる利息・損害金を元本とともに弁済した債務者との間にいわれのない不均衡を生じ、利息制限法一条および四条の各二項の規定の解釈について、その統一を欠くにいたるからである。
 ところで、本件において、原審の確定するところによれば、上告人は、被上告人らの先代から三〇万円を利息および弁済期後の遅延損害金とも月五分の約で借り受け、右貸付日から弁済日までの一四か月二二日間の月五分の割合による利息・損害金を含め合計五五五、〇〇〇円を任意に被上告人ら先代に支払つたというのであるから、他に特段の事情のないかぎり、元本三〇万円およびこれに対する右期間に相当する利息制限法所定の利率による利息・損害金をこえる部分について、上告人は被上告人らに対し、不当利得の返還を請求しうるものというべきである。
 そうであれば、これと異なる見解のもとに、右制限超過部分について、上告人の本訴請求を排斥した原判決は、右法令の解釈適用を誤つたものというべきであり、この誤りは原判決の結論に影響すること明らかであるから、論旨はこの点において理由があり、原判決は、右部分にかぎり破棄を免れない。そして、本件は、右部分について、さらに審理する必要があるから、これを原審に差し戻すのが相当である。
 よつて、民訴法四〇七条を適用して、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    関   根   小   郷
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    松   本   正   雄
            裁判官    飯   村   義   美

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